塩焼きの効果
わが国では、昔から消石灰用の石灰焼成には塩焼きといって、石灰石に対して0.1〜0.3%程度の塩を混ぜて、焼き締まりを防止して軟焼石灰を作り出してきました。塩は、以下の(1)〜(4)の各効果があります。
(1)生石灰中の酸化カルシウム(以下CaO)結晶の成長を促進
例えば塩を加えない素焼きだとCaO結晶の大きさは1ミクロン程度ですが、塩焼きだとCaO結晶の大きさが2〜6ミクロンとなります。塩焼きをすることで、結晶が融着せず、気孔率が高まり焼き締まりが少なくなります。
良質な生石灰が作れます
(2)焼き締まりを防ぎ多孔質の生石灰に
低温焼成をすれば、素焼きでも水和速度の速い生石灰が作ることは可能ですが、焼き過ぎると、たちまち水和速度の遅い生石灰になってしまします。塩焼きならば1200℃程度の高温焼成でも、気孔に富んだ生石灰ができます。何より高温焼成だと石灰が均一に焼けるのです。
(3)粒子が揃って良質です
塩焼きによって作られた消石灰は、CaO結晶が揃っていて、消化速度の速い石灰になります。
(4)消石灰の白度が増します
塩は焼成中、蒸気として石灰石中の鉄分と化合し、塩化鉄として揮発してしまいます。結果、生石灰中の鉄分が減少し石灰の白度が増すのです。
これらの利点を最大限に活かすために、当社では「塩焼き」にこだわり、技術・ノウハウの蓄積を続け、ユーザー皆様に最高品質の石灰製品をお届けしています。